4回中山9日目11Rに行われた第52回GⅠスプリンターズSは1番人気に支持された高松宮記念の覇者ファインニードルが外から差し切って優勝。2013年のロードカナロア以来となる史上5頭目の同一年、春秋スプリントGⅠ制覇を成し遂げた。騎乗した川田将雅騎手はこれが今年のJRA重賞8勝目。管理するのは高橋義忠調教師。ファインニードルは北海道日高町・ダーレージャパンファーム㈲の生産馬。馬主はゴドルフィン。通算成績は27戦10勝。
それではレースを京増TMに振り返ってもらいましょう。
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【展開・ペース】
好スタートを決めたラブカンプーを制し、内からワンスインナムーンがハナを切る。前半3F通過は2017年(当時も逃げたのはワンスインナムーン)より0秒9も速い33秒0。馬場状態の発表は稍重だったが、ひとつ前の10レースあたりから雨足が強まり、重馬場に近いコンディションだったことを踏まえれば、相当にキツい流れだった。
パドックを周回するファインニードル(撮影:yu~kun)馬体の張りが良く、気配は抜群。
【レース分析】
ファインニードルはマズマズのスタート。道中は中団馬群の外目を追走。先行勢が引っ張ってくれたことで結果的にベストのポジションに陣取れた。直線に向くとラブカンプーが渋太く粘り、交わすのに手を焼いたが、最後は力でねじ伏せて春秋のスプリントGI制覇を達成。
「4コーナーはあまりいい手応えや雰囲気ではなかったのですが、直線に向くと自分の脚は使ってくれましたし、何とか届いてくれという気持ちで追っていました。少し内にモタれるところはありましたが、最後はよく差し切ってくれました」とレース後の川田騎手。
前哨戦となったセントウルSは重馬場のタフなコンディション。これを走り切って中2週のローテーションだけに調整の難しさはあったと推察できるが、パドックでは活気があって、馬体の張りも上々。いくらかでも上積みはあった印象。時計などには現れない部分だが、ファインニードルには勝ちをもぎ取る強さもある。
ファインニードルの4代血統表
ラブカンプーは序盤、ワンスインナムーンと競り合い、そこから控えて2番手追走。厳しい展開だったが、直線では驚異的な粘りを見せて押し切るか!と思えるシーンを演出。一番強いレースをしたのはこの馬だろう。夏からコンスタントに使われていた分、パドックや本馬場入場の際は脚捌きが硬めに映ったが、馬体をキープしてギリギリで状態は保っていたか。3歳馬がスプリンターズSで連対したのは2007年のアストンマーチャン以来。激戦続きのツケさえ出なければ、今後のスプリント戦線では楽しみな存在に。
アイビスSD、北九州記念、セントウルSとサマースプリントシリーズを戦い抜いたラブカンプー(撮影:yu~kun)敗れたが、底知れぬ能力を示した。
ラインスピリットは勝ち馬からコンマ1秒差の③着。直線で追い出しを待たされていなければ、もっと際どい争いになっていただろう。初騎乗ながら好位のインでうまく立ち回って、人気薄をここまで持ってくるのだから、さすが武豊騎手という感じ。内目をロスなく立ち回ったダイメイプリンセスが突っ込んで④着。対照的に終始、外を回った面々は直線で伸びあぐねてしまった。レッツゴードンキは外へ持ち出し、勝ち馬を追って前へと迫ったが、⑤着まで。それでも、ゴール前の脚は目立った。
本命を打ったナックビーナスはパドックでは落ち着きがあって気配は良く映ったが・・・。直線の坂下で先頭に並びかけるところまではいったが、最後は粘りを欠いてしまった。今日に関しては馬場が応えたか。
text by 京増真臣/構成・藤原
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