2019年 1月26日(土) 1回中京3日

 永らく父内国産馬限定戦として行われ、2004年から牝馬限定戦に。GⅢのハンデ戦らしく1番人気があまり勝てないという傾向ですが、さて今年は。

 1番人気はノームコアで3.0倍。2番人気はレッドジェノヴァで3.6倍とエリザベス女王杯上位組がその実績を支持され、ウラヌスチャーム、ランドネの4歳勢が続きました。

 そして結果は今年も1番人気は勝てず8番人気ワンブレスアウェイがノームコアを半馬身差抑えての勝利。③着は逃げて粘ったランドネ。ウラヌスチャーム、コルコバードまでが掲示板。レッドジェノヴァはコルコバードからクビ差の⑥着でした。

 この日の中京は先行馬か内を通る馬に有利な馬場。それに加えて前半の1000mが62秒2というスローペース。速くはありませんでしたが、課題であるスタートを何とか五分に出て4番手の位置が取れたワンブレスアウェイにとっては最高の展開。最後の直線に向いた時には、逃げるランドネの直後につけていた津村騎手の騎乗も光りました。プラス10キロではありましたが、パドックではまったく太く見せずに状態も良かったのでしょう。

 ノームコアはスタート直後に躓き、更に内のヤマニンエルフィンと軽く接触したことで行き脚がつかず、いつもの先行策ではなく10番手からとなったのが最大の敗因。馬場傾向やペースを考慮すれば、外から追い込んで半馬身差の②着は強い内容。初めての差す競馬でも崩れなかったことは、今後に向けても良かったのではないでしょうか。

 ランドネは残り1000mからラップを上げてはいましたが、それでもラスト2ハロンの瞬発力勝負になったのは誤算。大型馬でリズムが大事なのでしょうが、残り1000~600mを1ハロンあたり0秒3ぐらい速くできれば、より平均的なラップになってこの馬には有利だった気もします。キセキが秋の天皇賞やJCで見せた逃げ方ですね。

 ウラヌスチャームコルコバードはいつもより前の位置でペースを考えるといい立ち回りだったと思いますが、上がりが速過ぎたということでしょう。どちらも脚質には幅が出て、悲観する内容ではありません。

 問題は⑥着レッドジェノヴァが中6週以上が開くと動けないということで片付けていいのかどうか。不利な展開だったのはエリザベス女王杯と同じ。その前走より今回は明らかに伸びていません。当日版掲載のコメントで「年明けからサプリメントを替えたのが合ったのか、稽古量を増やしているのに馬体重が増えています。息遣いもいいので心配はありません」とのことで確かにプラス8キロと増えていましたが、馬体の見栄えはひと息。レース間隔や展開が敗因には違いないでしょうが、条件が整った場合でも今回と同じような馬体で動けるのか、個人的には疑問が残ります。

text by 石井大

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。