3月18日(土曜)に中山競馬場で行われた第37回GⅢフラワーC(芝1800m・3歳・牝馬・別定・雨・不良馬場)は2番人気のエミューが優勝。管理する美浦・和田正一郎調教師は当レース初勝利。騎乗したM.デムーロ騎手は2勝目となりましたエミューは北海道新冠町ノースヒルズの生産馬。馬主は㈱ノースヒルズ

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 ハナを切ることも考えられたゴールデンハインドがゲートを出ると気合をつけていましたが、道悪のせいもあってか、スタート直後の行きっぷりはそれほどではありませんでした。好発を決めたディヴァージオンも2番手の競馬を選択したので、その内からパルティキュリエが主導権を握るような形に。前半4ハロンが50秒2に対して後半は50秒6ですから、この日の馬場状態を考えると見た目ほど、ゆったりとした流れではなく、全体的には平均ペース。今の時期の3歳牝馬にとってはタフな展開になり、最後は馬場の外を通ってきた差しタイプのワンツー決着になりました。

 

 

【レース分析】 勝ったエミューはスタートで出遅れて、前半は最後方からの追走に。外めから追い上げ態勢に入ったのも1000m標識を過ぎてからでしたが、鞍上が無理に動かしている様子はなく、馬群の大外を手応え良く進出。最後まで脚勢は鈍らず、長くいい脚を使って、鮮やかな差し切り勝ちを決めました。

 

 

 「先生と話をして馬の気持ちを大事にしようと思っていました。返し馬も最後に出しましたが、テンションは高かったですね。道中は後ろ過ぎると思ったので、追い出してからどうかと思いましたが、凄い脚で強かったです。小柄な馬ですが心は大きいですし、次も頑張りたいです」とレース後にM.デムーロ騎手はコメント。今回のメンバーでは唯一の2勝馬でしたし、頭数が違い、タイム面も地味でしたが、前走のデイジー賞を勝った時も外を回しての差し切りでしたから、時計を要す馬場が味方すれば今回も納得の結果。小柄なタイプでもスタミナが豊富なことは確かですから、オークス路線で今回のような馬場状態になれば、再び浮上するケースも十分にありそうです。

 

エミューの4代血統表

 

 ②着ヒップホップソウル(単勝8番人気)は外枠や道悪が影響してか、意外に人気が上がっていませんでしたが、新馬戦を楽勝した際の上がりが優秀で、その後の2戦も展開や道中の不利と敗因は明確でしたから、今回のメンバー構成なら巻き返して当然とも言える馬。勝ち馬より一歩前で仕掛けて伸びた内容は十分に評価できますし、距離に対応できた点も収穫でしょう。③着が自分が当日版で◎にしていたパルクリチュード(3番人気)で、こちらは上位2頭と違い、先団の直後に位置して直線の進路も内ラチ沿いを選択。しっかりと脚を使って馬券圏内を確保してくれました。初戦がダートの1700mを好タイムで逃げ切って、前走は芝1400mで差しに回り、不利を受けながら②着と小差でしたから、時計を要す芝1800mで力を発揮できたことは期待通り。今後は芝で高速馬場になった際への対応がポイントになりますが、小柄な馬体を考えると、すぐに割引が必要と決めつけるのは危険な気もしています。

 

 

 ④着は本紙が◎に抜擢していたゴールデンハインド(7番人気)で、枠順もあって先手を取ることはできませんでしたが、今回の馬場状態で最後まで粘り強い走りは見解に述べてあった通り。一旦は先頭を窺うシーンもありましたし、1勝クラスで渋太さの生きる状況になればチャンスは十分でしょう。⑤着ココクレーター(4番人気)もキャリアなどを考慮すれば健闘といえる内容ですし、こちらは鋭さの発揮できる馬場の方が向いている印象も受けました。1番人気で⑥着に終わったマテンロウアルテも関係者は馬場を敗因に挙げていましたから、次走以降で真価を問うことになりそうです。他にも今回は馬場状態の影響を受けた馬が多そうですから注意したいですね。

   

text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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